2020年度入学式の祝辞
2020年4月3日の午前10時に2020年度の入学式をオンライン形式で開催いたしました。
尊敬する武田理事長、鄭新培事務局次長、王野晶様、松田貴博様、教師各位、学生の皆さん
こんにちは。
春風が温かい空気を運び、桜が満開になるこの美しい季節に香坂班の入学式の日を迎える事が出来ました。北京外国語大学中国語言文学学部を代表して新入生の皆さんに歓迎の意を申し上げます。本日、私達は北京外国語大学で集まるはずでしたが、新型コロナウィルスが全世界で猛威を振るっており、この疫病防止における業務を依然として強いられている状況です。ただ、学生の前で教壇に立って授業が出来なくても、学習を停止させないようにする事は私達の目標であり、実践しなければならない事です。現在は北京外国語大学では留学生に対し、インターネットで約200科目の授業を実施する形でその目標を実現させています。こうした経緯もあり、今年の香坂班の入学式はこの様な特殊な方式で実施する事になりました。きっとこの入学式に参加されている先生方や新入生の皆さんにとっても非常に特殊な人生経験になる事でしょう。
中日両国は一衣帯水の間にある隣国であり、古くから密接な交流をし、関係を持ち続けてきました。両国の民間交流を強化し、相互理解を促進する事は中日教育の関係者にとって果たさなければならない責任と義務です。中日両国の有識者はこの努力を継続しており、その中でも、この香坂班プロジェクトの創始者である香坂順一先生は傑出した代表です。
香坂班プロジェクトは中文学部と北京外国語大学、中国の日本留学生の学歴教育に対し、特別な意義があります。このプロジェクトは1992年春季の第1期生が日本から中国で留学を開始してから28年間の月日を歩んできました。この期間、香坂班は中日両国民間の友好交流の代表としての存在を今日に至るまで堅持してきました。現時点で、このプロジェクトでは600名余りの卒業生が育成されました。彼らは中日の経済、教育、文化等の様々な分野で中日交流の中核になっています。今日の実績を得る事ができたのは、NPO法人国際交流教育後援会が重要な役割を果たし、際立った貢献をしてきたからです。この場をお借りし、同後援会歴代の理事長と理事や関係者及び多くの学生のご家族に心から感謝を申し上げます。
当時、香坂先生が植えた交流と友情の木は実り多き成果となり、現在の様な時期では特に大切な存在になっています。中国には「住む場所は違っていても、同じ空の下でつながっている」という言葉があります。中国武漢で今回の疫病が発生して以来、日本政府と国民はいち早く、中国に援助の手を差し伸べ、貴重なサポートを提供して下さり、中国の国民はこの言葉の意味を深く実感する事が出来ました。感謝の念に堪えません。武漢が封鎖された当日、東京事務所の鄭新培事務局次長、王野晶さん、松田貴博さんと母親は、日本から1800枚のマスクを寄贈して下さいました。私達はこの深い友情を心に刻んでいます。
また、中国は日本に対し、「人から受けた恩をより大きくしてから返す」という言葉を実行しました。現在、日本での疫病も完全には抑えられておらず、一部の地域ではかなり深刻であると報道されています。最近になって、中国江蘇省無錫市は5万枚のマスクをかき集め、時を移さず友好都市である愛知県豊川市に寄贈しました。と言うのは、今年2月に豊川市は無錫市に4500枚のマスクを寄贈して下さったからです。
この様に、中日の友情の花は満開に咲く桜の様で、私達は、この咲き乱れる花々の中には今入学式に参加している一人ひとりの心血と努力も凝縮している事を深く理解しています。
疫病は国境を越えて蔓延していますが、それ以上に世の中には人々の真心が満ち溢れていると思います。この苦難の時、新入生の皆さんが中国に留学する事を固く決意して下さった事にとても感動しています。この事は皆さんとご家族の中国と北京、そして北京外国語大学に対する信頼の表れであると感じています。北京外国語大学中文学部は必ずやその信頼に応え、優秀な教師陣による高品質な教育を提供します。
香坂班学生には、北京外国語大学で一生懸命学習に取組み、真剣に自身を向上させる伝統があります。皆さんもこの素晴らしい伝統を受け継ぐ事を期待し、何点かアドバイスと要望を伝えたいと思います。
第一に、この疫病防止の重要な時期に、自立、自己保護、自己管理の意識、そして計画性を持ってほしいと思います。これらを踏まえてインターネットでの授業を活用し、着実に学習に取組む事で、自主的に中国語学習に取組む意識を持ち、総合的な質とレベルを向上させて下さい。そうすれば、この期間は皆さんにとって、とても有意義なものになるはずです。
第二に、このインターネットという新しい教育形式に対し、前もって準備をし、宿題も確実にこなして下さい。教育と授業の質を確保する為、新入生の皆さんには積極的に教師に協力してもらい、その授業方法に適応し、うまく毎日の学習計画を立てて下さい。また、自主的に学習に取組み、知識を蓄え、視野を広げ、レベルを向上させる事で今学期の学習目標をクリアするようにして下さい。
第三に、あらゆる条件を活用し、真剣に中国文化と中華文明を深く理解し、また、東アジア文明とその歴史のルーツを認識する事で中国を理解し、思いやれる中国通になって下さい。また、世界経済のグローバル化と文化の多様化及び政治の多極化における発展動向を理解し、絶え間なく知識を蓄え、異文化コミュニケーションの意識と技能を向上させる事で、高次元で、高い質を持つハイレベルなグローバル人材になれるよう努めて下さい。
改めて皆さんが北京外国語大学中文学部という大家族に加わる事を歓迎します。そして、皆さんが今後の学習と生活面で、万事うまくいく事、健康でいる事を祈念します。また、皆さんが健康を確保する事を前提とし、学習スケジュールをうまく計画し、今学期を安全で充実したものにする事を希望します。
最後に、一緒に手を携え、共に疫病を防止し、素晴らしい未来を勝ち取りましょう。皆さんは止めようにも止められない勢いを持った新しい力です。そんな皆さんと北京外国語大学で会える日が一日も早く来る事を楽しみにしています。
ご清聴頂き有難うございました。
中国有数の大学である北京外国語大学中国語言文学学院(中文学部)にご入学されました留学生のみなさん!心からお祝い申し上げます。
ご存知のとおり、新型コロナウイルスの世界的流行により、今や世界全体が前代未聞の閉塞状態に陥っております。この様な状況の中、本年度入学予定者につきましては一人の脱落者も無く、本日の入学式を迎えられました。この事は、皆さん一人一人の、北京外国語大学への期待と熱意の表れだと、東京事務所の一人として非常に喜んでおります。
また、この様な状況下においても本日入学式を挙行して頂けました事は、尊敬する本学中国語言文学学院 張暁慧院長をはじめ、ご隣席の指導者、諸先生方の、新入生の皆さんに対する並々ならぬ期待と熱意の賜物と。心から感謝申し上げる次第であります。
第29期入学生のみなさん、みなさんは今日から北京外国語大学の一員となります。今状況下、今すぐにキャンパスに身を置く事が出来ませんが、10日後にはオンラインでの授業が始まります。北外の優秀な教授陣の指導の下で学べる皆さんは本当に幸せ者です。皆さんの訪中日程が決まるまでの間、是非、オンライン授業への積極的な参加をお願いいたします。
中国では、日本での万時控えめにという美徳は通用しません。何よりも積極性が第一です。授業中は積極的に勉学に励むことはいうまでもなく、訪中後は中国の友人を始め様々な国の友人とも積極的に国際交流を堪能して下さい。
GDP世界第2位の経済大国として、有史以来大繁栄した中国の首都北京で、若い皆さんが本大学で留学の機会を得たことは大変幸運なことであり、国際的視野に立って共に未来を考えていくことは、子子孫孫に渡って両国の友好関係を維持していく上で極めて貴重な事であります。
最後になりましたが、1日も早い訪中が実現出来ますよう、東京事務所として可能な限りの努力を惜しまないことをお約束するとともに、新入生の皆様の本留学の成功と、北外の益々のご発展をお祈りして、第29期生入学式の挨拶といたします。