後援会理事長挨拶

世界第二位の経済大国の中国。日本をはじめとする世界各国は、中国との密接な経済関係なしには成り立たなくなっていると言っても過言ではありません。また、中国語を母語とする人びとは、中国はもとより世界中に分布し、中国語は世界最大の母語話者を擁する言語として、国連の公用語の一つにも指定されています。
北京外国語大学には日本のほかアジア、欧米等93ヶ国から14名余りの留学生が在学中で、近年ますます増加しています。もともと外交官や通訳者養成を目的と して設立された北京外国語大学は、中国の伝統ある国家重点大学の一つとして評価が高く、その中国語教育のレベルは世界トップクラスと言われます。また世界 中の留学生が集うキャンパスはウルトラグローバルの世界です。留学生を積極的に受け入れる環境も抜群で、図書館はいうに及ばず、カフェ、スポーツジムなどの 共用施設は、夜遅くまで各国からの留学生の活気に満ちあふれています。
本会が提供する北京外国語大学中文学部正規留学プログラムは、学内では敬意をもって「香坂班」と称され、日本人留学生だけのために設けられた特別なプログラムです。
中国語力ゼロからスタートしても、4年間での学位取得を可能とする留学プログラムは、世界でも類を見ないのではないでしょうか。
香坂班留学では皆さんの大学生としての主体的な姿勢での語学、経済・貿易・文学などの修得に加え、人との交流、旅行等を通して多岐にわたる教養を高められる環境提供し、卒業後の皆さんが、中国をはじめ国際人として大いに活躍されることを期待しています。
また、北京外国語大学中文学部の東京事務所では、受け入れ窓口の役割を担うだけでなく、父母会とも密接に連携して、入学後の生活、卒業・学位取得に至るまでの支援体制を取っています。更に大学構内に専用 の常設事務所を設置し、日本人職員1名の常駐による緊急時にも最良の対応が可能な体制は、必ずや、皆さんの中国留学を成功に導くはずです。
4年間の香坂班での留学があなたを変える!
北京で学ぶ語学を駆使して、中国で学び、考え、また交流等を通して国際的教養も高めることで、皆さんの将来の夢の実現に向けた飛躍に、ぜひチャレンジし てください。


【プロフィール】
大正4年(1915年)6月7日生、昭和13年東京外語支那語部卒業、中国嶺南大学(現中山大学)修了。横浜高商、台北高商、台湾大学法政学部、大阪市立大学教授、北京大学外籍教授、大東文化大学学長、日本中国語検定協会理事長、北京外国語大学董事(理事)。
主著「現代中国辞典」「水滸伝語彙の研究」「白話語彙の研究」「中国語大辞典」(角川書店)など。平成15年(2003年)7月22日没。
日本有数の中国語学者・香坂順一は、大東文化大学学長のときに実現した北京外国語大学との間の固い提携を基盤に、同大学長の退任前後に交渉を重ね、1992年、長年の 夢であった日本人留学生のための4年制本科、「国際交流 学部」(現中文学部)設立の協定を結びました。
日本人学生の理想的な教育環境を作り上げたいという香坂順一の熱情に、中国政府・大学側も最大の厚意で応え、同大学および他国からの留学生と異なる学制を設けて、日本社会の慣例に沿った4月から3月の学年度、日本側の講師による教養課程の履修などが認められました。さらに卒業によって、北京外国語大学の卒業証書、学士号証書の授与が定められました。この留学システムは、中国はもとより、世界においても稀有 のものといえましょう。
中国には、「井戸を掘った人を忘れぬ」という成句があります。
香坂順一と北京外国語大学が、未来を築く共通の理念と、努力を惜しまぬ共同の作業で設立したこの学部は、時代の変遷とともにアジア・欧米の学生にも門戸を開き、名称も変わりました。しかし北京外国語大学は、この留学システムを、今も公式に「香坂班」と愛 称されています。
