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後援会理事長挨拶

将来の夢に向けてチャレンジを!
木村 太郎
特定非営利活動法人 国際交流教育後援会 理事長

 今や、世界第2位の経済大国になった中国。日本をは じめ世界各国は、中国経済と密接な関係なしには成り立 たななっていると言って過言ではあませんまた中国語を母語とする人口は、中国はもとより世界中に分布し、まさに中国語は世界最大の母語話者人口を擁する言語となっており、国連の公用語の一つにも採用されています。このような状況下、昨今、中国では留学生が急増しています。北京外国語大学にも日本や韓国などのア ジア諸国、さらに欧米諸国からの留学生が多数在学して います。 

 もともと外交官や通訳者養成を目的として、留学生を積極的に受け入れてきた北京外国語大学は、中国の伝統ある国家重点大学のひとつとして知られており、その中国語教育のレベルは世界トップクラスと言えます。しかも50 か国以上の留学生が集うキャンパスはウルトラグローバルです。留学生受け入れ環境も抜群で、図書館はうに及ばず、カフェスポーツジムなどの共用施設は夜遅くまで各国からの留学生の活気に満ちあふれていま す。留学を終えた皆さんが、中国をめぐる国際経済、貿易などの分野において国際人として大いに活躍されることを期待するものです。 

 本会が提供する北京外国語大学中文学部正規留学プログラムは、学内では、敬意をもって「香坂班」と称される日本人留学生だけのために設けられた特別なプログラムです。 

 中国語力ゼロからのスタートでも4年間で学位取得を可能とする正規留学プログラムは、世界でも類を見ないのではないでしょうか。 

 本会は北京外国語大学中文学部の東京事務所として、 受け入れ窓口の役割を担うだけでなく、香坂班で学ぶ学 生の保護者で構成される教育父母会と密接に連携して、入学後の学習・生活指導、卒業・学位取得に至るまでの支援体制を取っています。大学との強固な連携により大学構内に専用の常設事務所を設置し、日本人職員 1 名の常駐により、緊急時にも最良の対応が可能な体制は、必ずや、皆さんの中国留学を成功に導くはずです。 

4年間の北京留学があなたを変える――中国語、そして中国を学び、皆さんの将来の夢の実現に向けて、ぜひチャレンジをしてください。 

2020年1月 卒業式合同記念撮影
香坂順一教育理念について
井戸を掘った人の名は消えない
香坂 順一
元NPO法人 国際交流教育後援会名誉会長

【プロフィール】
大正4年(1915年)6月7日生、昭和13年東京外語支那語部卒業、中国嶺南大学(現中山大学)修了。横浜高商、台北高商、台湾大学法政学部、大阪市立大学教授、北京大学外籍教授、大東文化大学学長、日本中国語検定協会理事長、北京外国語大学董事(理事)。
主著「現代中国辞典」「水滸伝語彙の研究」「白話語彙の研究」「中国語大辞典」(角川書店)など。平成15年(2003年)7月22日没。

日本有数の中国語学者・香坂順一は、大東文化大学学長のときに実現した北京外国語大学との間の固い提携を基盤に、同大学長の退任前後に交渉を重ね、1992 年、長年の夢であった日本人留学生のための4 年制本科、「国際交流学部」(現中文学部)設立の協定を結びました。

 日本人学生の理想的な教育環境を作り上げたいという香坂順一の熱情に、中国政府・大学側も最大の厚意で応え、同大学及び他国からの留学生と異なる学制を設けて、日本社会の慣例に沿った4 月から3 月の学年度、日本人講師による教養課程の履修などが認められました。さらに卒業によって、北京外国語大学の卒業証書、学士号証書の授与が定められました。この留学システムは、中国はもとより、世界においても稀有のものといえましょう。

中国には、「井戸を掘った人を忘れぬ」という成句があります。

香坂順一と北京外国語大学が、未来を築く共通の理念と、努力を惜しまぬ共同の作業で設立したこの学部は、時代の変遷とともにアジア・欧米の学生にも門戸を開き、名称も変わりました。しかし北京外国語大学は、この留学システムを、今も公式に「香坂班」と呼んでいます。

2019年4 月 日中青少年交流推進年オープニングセレモニー